洪正秀弁護士の

やさしい法律相談 Q&A


ゴルフ場での事故

 

optane-lq.gif (1910 バイト) 先月、ゴルフに行ったところ、急にボールが飛んできて右目に当たり、救急車で運ばれました。失明は免れたものの視力の低下は避けられず、いまだに通院しています。   ボールを打った人とゴルフ場にはどのような責任があるのでしょうか。

 

optane-la.gif (1309 バイト) この場合、交通事故と同じように考えることが出来ますが、若干の特殊性があります。

 通常、ゴルフをする人は他人に危害を加えない義務を負っています。例えば、人のいるそばでクラブを振らないとか、ボールの届く範囲に人がいないことを確認してボールを打つとかです。逆に言えば、そのような義務を尽くしていれば、法的な責任を負うことはありません。

 あなたの場合、どのような状況で事故が起きたのか不明ですが、被害者であるあなたには、相手側の義務違反(先にあげた義務で、過失といいますが)を証明する必要があります。交通事故の場合は、加害者が過失がなかったことを証明することになります。

 さて、あなたの場合、あなたが普通にゴルフ場でプレイしていたところ、隣のホールから急にボールが飛んできたということですが、このケースでは加害者に過失が認められる例が多いようです。他方、あなたが普通は立ち入らないような場所にいてボールに当たったのなら、相手に過失はないということになるでしょう。

 相手に過失があるとなると、法的責任が生じ、ボールを打った人に対して民事上の損害賠償を請求できますし、刑事上の責任追及である告訴なども出来ます。厳密に言うと、民事上の過失と刑事上の過失では多少の違いがありますが、専門的になりますので省くことにします。

 次にゴルフ場の責任ですが、ゴルフ場としては安全にプレイできるようにする義務があります。この義務に違反していると、ゴルフ場やゴルフ場の責任者に右と同様の責任が生じます。さらには営業停止などの行政上の責任が生じる余地もあります。例えば以前にも同様の事故が発生していたのに、安全ネットを張るなどの措置をとらなかった場合などは責任が生じます。キャディさんがいる場合は、キャディさんが周囲の安全を確認する義務を負っているので、それを怠っているとゴルフ場に責任が生じます。

 民事責任の内容は交通事故とほぼ同様で、治療費、慰謝料、休業損害、後遺症に基づく逸失利益などです。刑事責任としては過失傷害罪や重過失傷害罪が考えられますが、交通事故のような業務上過失傷害罪は考えにくいでしょう。

 いずれにしろ個人での責任追及は難しいと思われるので、人権協会や各地の弁護士会にご相談して下さい。

[イオ98年 10月号掲載]